SEOをやりすぎてSEOの派閥/流派が見えた話
僕は日本のSEO業界の中でもトップ10に入るような人と一緒に長年仕事をしてきた中で、最近ふと思うようになりました。
実は「SEO」って右派(保守)と左派(革新)に分かれてきてない?
と。
[目次]
1)SEO「担当者」の歴史
SEOの歴史は検索エンジンと共に始まったと思ってます。
日本でYahoo!Japanが始まったのが1996年なので、はや21年。
結果、2017年時点で検索エンジン業界はGoogleが圧倒的な主導権を握り「SEOは無くなる?」的な言論が毎年叫ばれるようにもなりました。
Is SEO Dead in 2014? | Social Media Today
The Many "Deaths" of #SEO Up Until 2015 | SEJ
It's 2016 and SEO is dead. Again
Is SEO dead? The state of SEO in 2017
要因は完結に言うと
・ユーザーの検索行動の多様化
・Googleの強烈な進化
でしょう。
90年代~2000年代のSEOは基本的に加点方式だったのです。
・人工リンク
・見出し直下にテキスト追加
・内部リンクのアンカーテキスト改善
・alt属性設定
・h1タグの設定
・meta要素
・共起語
……etc.
ページの中身は二の次。
こういったお決まりがチェックリスト的に存在していたわけでとにかく検索エンジンからたくさんポイントを獲得獲得すればそれなりに上位表示されたのです。
本来はSEOって検索エンジンの至らないところを上手くサポートしてあげるという、人類の発展に大いなる貢献をしているという意義があったと思っているのですが(今も思っていますが)、あまりにウェブマスターから好都合な欠陥(抜け穴)があったので、ソコを上手く付くことで簡単に順位が上がっちゃったんですよね。
時は流れてペンギンアップデートやパンダアップデートが頻繁に耳に入るようになったのが2012年くらいから。
ようやく
「そろそろリンクじゃなくてコンテンツ見直さなきゃまずくね?」
という流れになり、コンテンツイズキングの時代。
コンテンツマーケティングがバズワードになり世の中にはコンテンツが玉石混交化。
あの手この手でコンテンツを量産し流入を稼ぎこれって成果につながったんだっけ?なんて、ふと我に返る状態の方々があふれ出してきた頃。
その間にGoogleはモバイルファースト。
TensorFlowを公開してランクブレインを発表したと思ったら、AIファースト。
これからは
「ユーザー体験考えないとねー!」
と世界各地で叫ばれるように。
…こうなっちゃうと一部の人間が困ったことになるのです。
SEO担当者です。
これまで「俺SEOやってんだぜ、みんなSEO知らないだろ!」と豪語していた集団。彼らの立場が危うくなってきます。
SEOベンダーでも、広告代理店でも、事業会社のSEO担当者もだんだんと影響力を失い、周りでは
「SEO?とにかくユーザーが喜ぶモンを作ればいいんでしょ?」
と言われる、そんな流れになるわけです。
つまり、UI/UXとかそのあたりに強い集団にスポットライトが当たるようになってきたんです。
が、幸いSEOはブラックボックス。
ソコに乗じてこんな、複数のSEO流派が登場したのでしょう。
2)3つに分かれるSEO流派
●SEO右派 :保守派。依然SEOの権威を保とうとしている集団
「好きな言葉」javascript、共起語、テキスト追加
対クローラーな改善施策をガンガン進めようとする部隊。タグやキーワード、テキスト量や共起語を気にしがち。チェックリストで細かい施策をとことん進める。特殊技能部隊としてプライドを持っている。
●SEO左派 :革新派。従来の「SEO」が無くなるという発想の集団
「好きな言葉」UX、カスタマージャーニー、ABテスト
検索市場に対応したサイト構造は意識しつつ、テキスト量やh1などクローラーにしか見えない細かい施策はさほど気にしない。CV起点で検証を重ねながら内部導線やページ内文言を設定。なんならUX部隊に組み込まれたいと考えている。
●SEO中道派:中立派。従来のSEO+ユーザー体験
「好きな言葉」検索数、インサイト、コンテンツマーケティング
たぶんここに所属している人は多い。 SEOの基本的な対クローラー施策は押さえつつ、内部施策はユーザーの動きを考えて実施。コンテンツを積極的に提案。自分たちは検索結果画面から最高のコンテンツを作れると信じている。
個々人がこれらで分類できるとは思いませんが、集団となったときに傾向は出るんじゃないかなぁなんて思っています(企業名でマトリックス組もうとしたのですが、これは後日機会があれば…)。また、この流派はサイト規模や周りのSEOリテラシーによって使い分けされるものな気がします(ちなみに僕は無所属、極左です)。
あ、SEOというソリューションは無くならないはずです。
定義や形が変わるという意味で「従来の」SEOではなくなりますが。検索エンジン(GもYもSNSも含む)からの検索行動は無くならないでしょうし。
※SXOって考えた人、言いづらいから「SEO(=Search EXPERIENCE Optimization)」って変えじゃダメなんですかね(笑
前段が長くなっちゃったので、次は深く掘り下げた記事も書こうと思っていますが、
反響によって変えます。笑
【図解】3分で分かるWeb/インターネット業界解説@2015!
Web/インターネット業界は変化が激しく追いつくのに一苦労ですが、収益モデルを追えば意外とわかりやすいものです。
解説した記事ないかなぁ~と自分自身でも探したのですが、見つからなかったのでWeb/インターネット業界を図解してみました。たぶん大体これで網羅できているはずです。
これから就活を迎える方、Web業界の転職を考えている方には、ざ~っくりこの業界が分かると思うので、使えるかも(?)しれません。
©アド野テク蔵
大きくメディア(PC+mobile)、広告代理、EC(B2B+B2C)で分けてます。
分ける上で軸としたのは収益モデルです。
- 広告収入:運営メディアに広告を掲載した時に発生する収益。
- 利用料:Webサービスを利用する際に発生する収益(定額、従量課金)。
- コンサル料:Webマーケティングのコンサルティングに発生する収益。
- 手数料:ECのプラットフォームで行われた売買によって発生する収益(B2Bの場合は物販販売費も含む)。
業態の分け方にやや無理くり感がありますが、目的は全体を捉えるということが大きいのでご了承ください(笑)また、1社が複数の業態に当てはまる企業もありますが、特に知名度高めのイメージしやすい企業を「複合」としてまとめてみました。
※ご指摘あればご連絡くださいませ。
文系卒はアドテク企業じゃなくて、まずSEOってのもよくね?
ブログ名に「アド」「テク」が入っているのに何言ってんだ、って感じですけど。
SEOは「スパム」のイメージが付きまとったり、「廃れてる」感があるのかもしれませんが、個人的には、Webマーケティングの中では一番可能性を感じています。これからは特に、です。
アドテクはエンジニアが主役
ぶっちゃけてしまうと、アドテクはエンジニア、つまりは理系のフィールドだと思ってます(ちなみにここで言うアドテクってのはRTB関連を指しています)。
アドテクの裏側にある世界観って言うのは、人間じゃできないことをテクノロジーで解決しようぜ、ってことなわけで、すなわち、良いプロダクトを作れるかどうかがカギになってるわけです。プロダクトがダメダメなら、いくらキラキラなマーケティングプランを練ったとしても上手くいかない。「100万人にアプローチ、そのうち50%のユーザーにアナタの広告が見られて、うち20%がCVにつながりますよ」というのと、「1000万人にアプローチ、そのうち80%のユーザーにアナタの広告が見られて、うち20%がCVにつながりますよ」ってのじゃ答えは明白。
エンジニアとしていいプロダクトを作り続けたいという想いがあるのであればいいのかもしれませんが、「人にしかできないことをしたい(悪く言うと、技術力を持っていない僕みたいな)」人にとっては、かなり可能性に限界があるんじゃないでしょうか(もちろん、楽しさもいっぱいありますよ!)。
SEOはレシピづくり
打って変わって、SEOはというと、Webマーケティングの中で唯一自動化できない仕事だと思っています。もちろん、エンジニアのスキルはあった方がプラスになりますし、必要なSEOツールもたくさんありますが、アドテクの自動化とはちょっと違います。
例えば、「Aが生じたら、Bという解決策を自動的に提示する」ということはできません。「『スマホ』というキーワードの順位が3位以上下がったら『スマホ』をタイトルの前半に組み込んで、サイト内の『スマホ』というキーワードの出現率を55%に上げましょう」というプログラミングは現実的にはありえないし、技術的にできたとしても効果がないでしょう(笑)
常にアルゴリズムの更新を続けている(年間600回だとか)検索エンジンの考え方やSEOの基本的な知識は必要だけど、ルールを覚えてそれ通りにできる仕事は少ないです。対処すべき問題は同じように見えても、置かれている状況が全く違うのであって、網羅的にあてはめられる解決策は無いんです。その時の検索エンジンの状況も違い、競合の状況も違い、扱っている商品種類もサイト数も規模も違う。サイトごとに躓くところは千差万別。
例えるなら、SEOの提案書はレシピみたいなものですね。クライアントさんが用意している食材や使える調理道具やインフラ内という制約の中、どうすればお客さん(ユーザー)に満足してもらえるような料理が作れるか、を考える。答えは用意されているわけでなく、作り出すしかない。そのためも、たくさんのレシピを学んで、新たな発想をする。その繰り返しです。
「人にしかできない仕事が残る」ってよく言われてますけど、まさにSEOにはそんな可能性を感じてます。検索行為も当分なくならないと思いますし。AdwordsもDSPも使わず(使ったらより良いものになるコトもありますよ!)、自身のマーケティング力、クリエイティブ力、Web開発力、プロジェクトマネジメント力等々を使いながら課題を解決していく仕事です。コンテンツマーケティングが流行ってる今も、参戦する楽しい時期だと思いますよ(何十年間も今みたいな盛り上がりは続かないと思うので)。コンテンツマーケティングについてはまたお話しします。
あ、ちなみにLinkedinが発表した2014年にリクルーターが求めたスキルランキングでベスト5にSEM/SEOがランクインしてましたね。 まだまだおすすめ職業です。
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(最近質問が結構来てますので、お返事が遅れてしまったらすいません)
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転職を一度された方ならもうだいぶお分かりかもしれませんが、事前準備が求められたり「こんな時どうすればいいの?」という出来事にぶつかることが多々あります。僕自身も転職エージェントで色々な質問をもらった経緯があるので、重要 or 質問頻度の高いものを20ピックアップしてまとめてみました。
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人類の歴史は好奇心(知りたい!)の歴史
SEM(検索エンジンマーケティング)は(まだ)無くならないと思ってます。アドテクばっかり叫ばれてる感がありますが、人間ができる作業を自動化させる理系エンジニアのフィールドでしょう(これまた今度エントリ―書きます)。
むしろ、SEM周りの転職市場価値が高いですし、この領域にいる方は安心していいと思いますし、これからこのマーケットにチャレンジするのは大アリだと思います。
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