セオ部(SEO部)

アドテク、キャリアは他の人に任せて、SEOトピックと持論を語ることにします(小学生、業界人向け)。

アドテクノロジーの歴史(2)【純広告の時代】

今回から広告の仕組みに入ります。

インターネット広告史で最初の広告は「純広告」というもの。サイトに行くとよく見る四角いバナー広告がそのひとつです。純じゃない広告って一体どんだけあるの?ってなりますが、ピュアな広告、「純広告」ってのがあるようです。

 

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(引用:http://www.makemyownsite.com/loc_ms/step6_advertisement.html

 

固く定義付けをすると、こんな感じになるみたいですね。

広告の形態の一つで、広告主が媒体の広告枠を買い取り、広告主側で制作された広告を掲載するもの。「広告主側」には広告主自身のほか、広告主側の広告代理店や下請けの広告制作会社などを含む。

 

 (引用:純広告とは 【 pure advertisement 】 〔 純広 〕 - 意味/解説/説明/定義 : IT用語辞典

 

純広告の仕組み

広告業界を理解する上で必要なプレーヤーは「広告主(広告を出したい企業)」と「媒体社(広告を掲載したい企業)」、それから「広告代理店」の3社。代理店機能というより、今回はよりシステムの部分が焦点になってくるので、“Server”という表記を使って簡単に図にしてみました。 

 

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我々がWebサイトを見るとき、「ブラウザ(Internet Explore、safari、firefox等)」という窓を通してサイトを見ます。ブラウザからhttpで記載された信号を“Contents Server”という、所謂webサイトがストックされているトコへ送り、跳ね返ってきた暗号をブラウザが読解し、ユーザーに理解しすい形で表示します。

 

90年代は、Webサイトを見る際にContents Serverのみを通していました。それだけですと、コンテンツに加えてインターネット広告も同じ信号に乗っかってきます。すなわち、「コンテンツ+広告」というワンセットがユーザーに表示されることになり、「A」というページを誰が見た場合も、同じ広告が表示されます。

これが一般的に純広告と呼ばれるものです。トラフィック(ユーザー数)を集めているWebサイトに広告を掲載すれば、幅広いユーザーに対して一律「認知効果」を与えられるメリットがあります。今はPV(*1)が少ない媒体では効果が薄いためほぼ実施されておらず、莫大なユーザー数が集まる有名サイトに対して実施されているようです。その際には広告代理店が広告主との交渉を、上述したメディアレップが媒体社との交渉へと入ります。

ちなみに純広告の広告出稿は大変みたいで、サイトごとにクリエイティブ(バナー広告のデザインや表記)やサイズの規制、タイミング、価格交渉なんかが異なるため、間に挟まれた代理店やメディアレップは何度も何度も広告主~媒体社間の連絡をやり取りして…ってことがあったようです。

 

アレ…?出てる広告違くね?

ところが。

試しに今僕らがyahooのwebサイトへ訪問してみると、見る人によって掲載される広告が異なる、なんていう不思議なことが起こってます。

「さっき見てたサイトの広告が出てる」「わ。この本の広告、さっきAmazonで買おうとしたヤツだ」

今日ではインターネット広告だけ“Ad Server”という別のサーバーを通してユーザーへ発信されているため、実は一人ひとり異なった広告が打てるようになっているのです。

図にするとこんな感じですかね。

 

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Webサイトのコンテンツは"Contents Server"で、Web広告は"Ad Server"で配信する。コンテンツと広告のServerを分けることで、近年では、見る人によって広告が異なる「ターゲティング広告」という広告手法が新たに確立されるようになりました。

次回はそのあたりの話を。

*1:ページビュー:1ページ単位でサイトが見られた「回数」