そういえば、2014年もアドテック東京に行ってきたんだった【前編】
先月の話にはなりますが、アドテック東京に参加してきました。話題はハロウィンに総取りされていながら、そういえば、って感じです。ここ3年ほど連続で参加していますが、今年ならではのテーマもあったので、そこらへんを書いてみます。
------トピックス------
- 【前編】アドテック東京2014の変化
- 【前編】アドテック東京2014のテーマピックアップ
- 【後編】異色の取組み例
- 【後編】発見!尖ったブース
- 【後編】アドテック東京名物、アドテクグッズ!
----------------------------
1.2014年のアドテックのテーマ?
今年はDSP、DMPに引き続き、ネイティブ広告を扱った企業さんが非常に多かったです。特にキュレーションメディアの企業さんですね。例年twitterさんやfacebookさんは出てましたけど、各社が「ネイティブ広告」というワードで出しているのは今年からだと認識しています。入り口に早々Antennaさんがインパクトのあるブースを出してましたし、グノシーさん、スマートニュースさんのお話も聞けました。
あくまで肌感覚ですが、今年含めた直近3年間のメインテーマを比較とするとこんな感じでしょうか。
広告配信システムというより、広告フォーマットのリッチ化やスマホデバイスに寄った動きになってきています。ちなみに広告フォーマットに関しては、毎年前年のものが受け継がれていながら、特筆するとしたらこんな感じかな、というものを記載しています。
2.アドテック東京2014のテーマピックアップ
僕が敢えて3つピックアップするとすると、(1)ネイティブ(2)動画(3)ビッグデータ、です。3種類のトピックスに関しては他のメディアさんが色々と取り上げていると思うので、ここでは自分の考察をメインに簡単に記載してみます(詳細は個別にご連絡を頂ければ)。
(1)ネイティブ広告
✔ キュレーションメディアとユーザーの温度差が際立ちそう
キュレーションメディアが中心に取り組みだしていますが、CTR(クリック率)が低いからこそネイティブ広告が注目されているわけで、ユーザーが「コレ、広告じゃん」ってなった瞬間に効果は下がっちゃうんですよね。
(参照:ネイティブ広告は単なるキュレーションメディア戦争の産物。 - アド野テク蔵)
✔ 競合のプレッシャーからグレーな運営がされちゃう?
競合メディアがいろいろ出てきていますから、「他社には負けん!」と広告主に過度な期待をさせてしまうんでしょうかね。
(参照:この記事はまずいくらSNSでシェアされてもGunosyには掲載されないだろうな。Gunosyのiemoのバイラル記事がウザすぎる件。 - 鈴木です。)
✔ とはいえ、フツーのバナーよりかは効果ありそう。
数年以内に効果のピークが来て、やがて徐々に下がっていくとは思いますが、従来のバナー広告よりは断然効果があると思います。「スポンサー記事」って書かれてたとしても、面白いコンテンツなら読んじゃいますからね。
(2)動画広告
✔ 国内での浸透に時間がかかりそう
ネイティブ広告が出てきたのは痛手ですね。動画広告は制作に手間・お金がかかるだけでなく、まだまだ効果が読めません。広告主が新たな取り組みを模索する中、より手軽なネイティブ広告にまず手が伸びそうだなぁという所感(アドテック東京内のブースもそこまで盛り上がってはいませんでした)。
✔ 序盤が大事。まずはテレビの力を借りるのもアリ
動画広告とテレビ広告の大きな違いは受け手の情報取得のスタンスにあります。Webの場合は主体的に情報を取りにいってるため、目的と異なるコンテンツの動画はスキップしてしまいがち。一方、テレビは流しっぱで受動的に見る傾向があり、流れてくるCMもよほどのことが無い限りスキップはしません。従って、テレビで認知したのち、追っかけでWebでもテレビと同様のクリエイティブで動画を流すといったリターゲティングに近い方法はありかもしれません。
長くなりましたが、ポイントは「序盤でユーザーからいかに受け入れてもらえるか」です。ネイティブ広告もユーザーがネットを遷移しながら情報収集することに馴染んでいたからこそ受け入れられているのです。
(3)ビッグデータ
✔リタゲではなく、潜在顧客に対していかにリーチできるかがカギ
クリテオさんやグーグルさんは本当に素敵な広告配信手法を考案していると思います。僕も応援はしたいです。ただ、リタゲ嫌いなユーザーは多そうですね…(参考:リターゲティング広告「しつこい」73.6% ――「ネット上の広告に関するアンケート調査」より | 日経デジタルマーケティング(SP)((会員でないと全文読めません)))。今はCV(コンバージョン:広告での成果達成)の数値はいいかもしれませんが、近い将来ユーザーにそっぽを向かれないようにフリークエンシーキャップ(1人のユーザーに同じ広告を見せる限度)を厳しめにかけて、早目に切り上げていった方が今後のためでは、と感じてしまいます。そのため(下記にも関連しますが)、業界全体としてユーザーとビッグデータの合致精度を上げて潜在顧客獲得に向けた取り組みをしていくべきでしょう。
✔ビッグデータの正確さを誇示するために、媒体社・広告主との密な連携が必要
ライオンさんの取組みがバズってますね(ライオン、新生活情報メディア『Lidea』を開設 | RBB TODAY)。消費財系のメーカーさんもデジタルマーケティングには興味があるというのはよく聞くので、ともに研究開発を進めて頂きたいです。
こんな感じで、後編に続きます。
--次回予定--
3.【後編】異色の取組み例
4.【後編】発見!尖ったブース
5.【後編】アドテック東京名物、アドテクグッズ!