求人広告を見る際に気を付けるべき5つのコト
人材業界にいたからこそ、求職者の方にはハッピーになってもらいたい。だからこそのエントリーです。今後、深めの話もしていくつもりですが、まずは浅くて薄~い話から。
下記はweb領域全般をメインに記載しています。
- 年収表記: 過剰な表記には注意が必要。
- 対象年齢: 基本的には20代が対象。
- 掲載期間: 消えない求人広告には複数の要因。
- 求める経験:掲載内容以外にも条件はたくさん。
- 企業の魅力:甘いコトバには要注意。
1.年収表記:過剰な表記には注意が必要
「年収:360~1000万」みたいな、下限年収と上限が笑っちゃうくらい開きがある場合は気を付けましょう。インパクトを狙っている場合が多いです。内定が出たとしても下限、あるいは下限よりちょっと上くらいを想定していると安心です。
ちなみに、Web業界だと、上位数%の大手を除き、どの会社もおそらく想定年収はこんな感じです(役職がつくと変わってくるケースはありますが)。
- 20代:360万~450万
- 30代:450万~600万
- 40代:600万~800万
また、これはどこかでもまた詳細を書きますが、年収は基本的に「前職の年収」×「面接のパフォーマンス」×「既存社員との年収バランス」で決まります。いくら前職の年収がよく、面接でばっちりであっても、配属先の既存社員と不釣り合いな年収は出せません。
2.対象年齢:基本的には20代が対象
求人広告では法的に「年齢制限(~歳まで)」の記載は禁止されていますが、大半は20代がターゲットだと思います(条件が合致していたにもかかわらず、お見送りになったケースがあるかたもいるのではないでしょうか?)。
通常求人広告は掲載時の前金制、人材紹介会社は成功報酬制。先にお金を払うのであれば、確実に採用できそうな領域で求人広告を使いたいですよね。だからこそ、若手の大量採用に使われるのです。
逆に30代以上の役職付きの方は転職マーケット内で母数が少なく、web媒体からエントリーする可能性も低い。というのも、Webオンリーの情報だと不確実性が高く、また役職が就いている以上、直接採用企業や周辺の人に問い合わせることも現職へのリスクになります。そのため、求職者自身が紹介会社を使うケースが多いのです。
ただ、それでも30代以上が応募してきた場合は、下記のようにケースバイケースで対応するでしょう。
- プレーヤーとしての実績が豊富(マネージャーではなく、どちらかというとスペシャリスト系)⇒選考通過率高
- 現職で役職付き、プレーヤーとしてエントリー(特に異業界からのケース)⇒選考通過率中(マネジメント経験を買われるため、人柄や実績に応じて対応)
- 現職で役職無し、プレーヤーでエントリー⇒選考通過率低(社内で評価が低いと判断※であれば、20代若手を採る)
20代、30代でそこまで違いはあるのか?おそらく、生物学的にはそこまで違いはないと思います。私もそこまで気にしなくてもいいじゃないか、と思いますが、最終的には「組織とのフィット感」に帰結します(web業界は20代メインで構成されている会社、「活気のある」会社が多かったりしますからね)。
今の20代(1980年代後半)と30代(19)では大きく異なること、それは「webリテラシー」です。小さいころからインターネットが身近な世代とそうでなかった世代は思考プロセスも価値観も違えば、周りとの距離の取り方も異なります。
上記はマクロな視点からの判断なので、本来であれば「会って判断しろよ!」と言いたいところですが、採用企業も時間的リソースに限りがあるのが現実。書面上で可能性の高いリスクは避けて採用をするということが主流になっています。だからこそ、人材紹介会社のような第三機関(書類以外で人物を判断してくれる)が必要になっているのです。
3.掲載期間:消えない求人広告には複数の要因。
消えない広告はいくつかのケースが考えられます。
- ケース1.採用が下手:いくら選考をしても採用ができない(ターゲット人材要件のミスor事業や人の魅力が無い)。
- ケース2.離職率が高い:採っても採っても辞める人が多く事業計画に追いつかない(入社後の組織に問題があり)
- ケース3.純粋に増員(経営良好要因なので特段問題が無い。が、ホントに採りまくって大丈夫?という疑念はあり)
ここで、上記を判断する上でのおすすめツールのご紹介。ウェブサイトの過去ページ(更新前)が見れるような無料ツールがあります。社員数、資本金、経営陣の入れ替わり等々過去のページもツールで見ることが出来るので、見てみてはいかがでしょう?(Google Chromeの拡張ツールです)
WayBack Chrome - Chrome Web Store
4.求める経験:掲載内容以外にも条件はたくさん。
求人広告の性ですが、基本、漠然とした記述しかできません。スキル条件を定量的に打ち出すのは難儀ですからね。
さて、求人広告の「求める経験」を見る上で注意しなくてはならないこと、それは、必要な経験を満たしていてもお見送りになるケースが往々にしてあるということです。採用企業さんも必死なので、要件を満たしているにもかかわらずお見送りだった際、採用企業さんへのクレームはお控えくださいませ(笑)以下、具体例です。
1)営業経験●年以上:
満たしている場合でも、見た目や学歴、年齢、レジュメの書き方(構成力・表現力)、過去の実績によってNGになる場合があります。
2)HTML/CSSの知見がある方:
仮に趣味でちょいちょい使っていましたレベルでもOKの時もあれば、NGの場合もあります。
3)新規事業立ち上げ経験のある方:
コイツは曲者。何を新規事業として捉えるか、物凄い曖昧。広告収益モデルの媒体社の書類選考で「太陽光発電の新規事業を成功させました!」とアピールしても、担当業務が新しいメディアの立ち上げだったらNG(笑)
大切なことは、採用企業の立場に立つことです。「どんな事業を展開していて、今後どんな仕事が必要になり、どんなスキルが必要になるのだろう」そして、「そこで自分はどう力になれるのだろう」、という視点です。
5.企業の魅力:甘いコトバには要注意。
下記のような表記、見たことある方も多いのではないでしょうか?なんとなく見ていたコトバも、意外と裏があったりするものです。
・家族のような職場
和気藹々とすることもあれば、逆に独自の意見言いづらかったりします(逸脱しづらい)。よくわからない儀式に参加させられることもあるかもしれません。
・●駅ルール:
夜遅くまで働くケースがあるかも?家が近いと遅くまで働ける。そんな感じです。
・女性も活躍:
女性が少ない職場とか。女性を採りたいからこそ使うケースがあったりします。
・何でも手を上げれば何でもできる
う~ん…フツーに考えれば勝手なことばかりはできません。企業経営では当然のこと(選考でどのようなケースがどのくらいの何割くらいができてるか聞いてみては?)
・上場予定/ストックオプション
これも眉唾です。現実性がどのくらいあるのか。複数のチャネルから確認するといいでしょう。ストックオプションの場合、権利が行使できるのは誰か(社員全員?役員のみ?)を確認するのもいいですね。
・経営企画、新規事業責任者、海外事業担当者...etc.
ここらへんの職種は「見せ」職種の可能性ありです。ナゼ重要な事業にかかわる職務を一般公開で募集するのか?この点はよくよく考えると疑問に思えたりもします。
よくある例として、今は具体的な求人が無いが、上記ワードを使って求人を出し、実際に選考に進めると営業職、事務職といった本当にニーズのある職種を落としどころにするってこともあります。事業が上手くいったら or 実績を出したら異動させるよ、なんて言われたりするケースもあり得ますが、そこはしっかりご確認ください。
求人情報を見るのも悪いことではないのでいいと思いますが、媒体に上がっている情報だけを鵜呑みにするのではなく、一度転職アドバイザーに話を聞きに行くのはアリですね。それと、求人広告を掲載する際は通常前金制なので、企業上手く採用できそうな領域にしか使いません。だから人材紹介会社・求人広告を使い分けるのです。
なお、上記はあくまで一例であり、全てが全てそうであるとは限りませんのでご了承を。