Web業界の転職理由を年代別にカテゴライズしてみた。
Web業界は不思議な業界です。国内で唯一成長産業でもあり、最も歴史の浅い産業でもあります。そのためキャリアとしての選択肢も多く、キャリアのモデルがなかなか見えづらいという問題もあります。
僕がキャリアコンサルタントをしていた頃の所感で言うと、優秀な人ほど選択肢があり、悩みます。どれが正しいのか分からなくなります。知人に誘われてノリで入社、悩んだ末に勢いで転職、こういった例は皆さんの周りにも結構あるのではないでしょうか。僕がWeb領域で転職サポートをしていた経験から、転職理由を年代別でカテゴライズしてみました。
20代と30代で異なる転職理由
これまで年間100名以上の方とお会いしてきましたが、大多数の転職理由はこんな感じにまとめられます。それぞれの年代で特徴が出ているのが面白いです。
20代:挑戦的理由
- 業務の幅を広げたい
- 専門性を付けたい
- 優秀な人と働きたい
- 海外に行きたい
- 英語使いたい
特に、スキル(人的・職務的)軸と語学軸です。僕が当時キャリアコンサルティングをしていた頃感じたのは、20代はいい意味でも悪い意味でも自分の市場価値が分かっていないケースが多いということです(どこかで得られるわけではないので仕方ありませんが…)。
例えば、英語ができないにもかかわらず「海外勤務の職に就きたい」だとか、優秀な人が多そうという理由で「外資の戦略コンサル行きたい」だとかと仰っていただくケースが多々あったのですが、最低限それなりの準備や強い意志・目的を持ってから臨むべきであると思います。採用する企業があって、転職が実現するわけです。面接対策も同じですが、相手が何を考えているか・欲しているかを見極めなくては、転職活動は上手くいきません。
ちなみに、20代で転職した僕も上記転職理由の例外ではありません。上から2,3,5番目の理由です。結果、年収は100万円近く下げています(笑)そもそも物欲が無かったということと、手元にお金が残っても全然満足できなかったので、下げた年収分で経験を買おうと思いました。唯一20代は年収が下げられる年代です。家庭を持つとそう簡単にはいきませんからね。
※丁度、この手の話はえふしんさんのエントリーが世間を賑わせていますね。僕も彼の意見には賛同です。
転職は経験を買いに行く人生のタイミング(えふしん) - 個人 - Yahoo!ニュース
30代~現実的理由~
- 年収アップ
- ワークライフバランス
20代の「挑戦的」理由とは逆の「現実的」理由。おそらく7~80%は上記2点が理由ではないでしょうか。
30代になると体力的に業務がキツくなるだけでなく(労働時間の長さはWeb業界の特性ではありますが)、家庭を持つようになり、お金が必要になります。さらにお子様ができるとなると、家族との時間が大切になります。結果、収入を上げながら相対的に仕事に割く時間を制限しなくてはならなくなります。
具体例で挙げると、代理店で働いていた人は労働時間が少ない事業会社へ、あるいは年収アップのために外資系企業や上流企業へ移ろうと考えるようになります。
大多数の方々が上記の転職理由で転職をされているので、予め転職理由を想定し、目標と刷り合わせながら逆算してキャリアを組み立てることをお勧めします。
次回辺り、僕なりに考えた、Web系キャリアの王道をご紹介します。Web業界で身を立てるにはそのストーリーが(現時点では)“Better”だと考えていますが、“Best”なキャリアなどなく、“Better”なキャリアをいかに自分で“Best”に昇華するか、という考え方は充実したキャリアで大切なことです。