セオ部(SEO部)

アドテク、キャリアは他の人に任せて、SEOトピックと持論を語ることにします(小学生、業界人向け)。

歩み寄りの話

前回の記事はガッツリとインターネット広告の魅力を書きましたが、今回は打って変って反対の論調です。

 

広告って邪魔じゃね?

「アプリで遊んでたのに間違って押しちゃう」「ページに覆いかぶさる広告何なの、邪魔くさい」「いつも同じ広告ばっかりでうざったい」。理性では「社会に必要なもの」ってわかっていても、ぶっちゃけ「邪魔じゃね?」ってのが消費者心理の本音じゃないでしょうか。僕も感じるときはあります。。

 

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出典:「アイコン型広告」で新たなゲームアプリの集客&収益化を推進する、マルジュのアドネットワーク「アスタ」とは? (1/3):MarkeZine(マーケジン)

 

広告会社はユーザーに嫌われないように、あの手この手を使って広告手法を変えては打ち出してきます。でも、僕からするに、ユーザーはもっと声を高らかにしてイヤなら「イヤだ!」と訴えるべきだと思うんですよ。日本人は我慢強いって言われますから、こんくらいなら仕方ない、って妥協している感があるのですが、そんなことしてたら広告会社的は「ココまで行けるか?コレならどうだ?」と、ガンガン攻め込んできます。もちろん攻め込まれていてもいいっちゃいいのですが、近い将来ユーザーが広告に対して爆発しちゃうんじゃないかなぁと、そんな時代が来てしまうのが怖いです。

数十年前と違って、今は誰でも情報発信ができる世の中。もっともっと、ユーザーから広告に対する厳しい意見を発信していった方がいい気がします。それがひとつの広告の「民主化」に必要なこと。ユーザーと広告会社、広告主間の民主化。その議論が活発化する延長線上に、よりよい形の広告が生まれると思うんですよね。

 

ユーザーが広告評価を発信するプラットフォームを

じゃあ消費者はどこで発言すればいいのか。今度は完全に広告会社の仕事になります。広告にフィードバックが取れるような機能を付ければいいんです。例えば、すでにYou Tubeでは実践されてますが、これはさすがだと思います。

 

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"Show me ads like this?"(「このような広告を表示しますか?」)とあり、Yes・Noだけではあるものの、ユーザーからフィードバックが取れるような仕組みになっているのがお判りでしょう。クリック率はそこまで高くないらしいですが、ユーザーへの歩み寄りが見えて、すごくいい施策だと思います。

さらにPC版Facebookでも右側のスポンサード広告には右上に「×」ボタンがあり(ご存知の方は少ないかもしれませんが)ユーザーからの広告に対するフィードバックが取れる仕組みがあります。こういったちょっとした施策を出していき、広告主・広告会社からユーザーに歩み寄る必要があるんじゃないでしょうか。

個人的には、広告に対するCGM(口コミサイト的なモノ)ができてもいいんじゃないかなぁと思いますが、さすがにわざわざユーザーが広告に対して意見を書き込むなんてことはないでしょうかね(笑)

 

今後の歩み寄りに期待です。

 

アドテクノロジーとやらの話

「広告」と聞くと消費者へ一方的に訴える「テレビ」を咄嗟的に連想する世代も多いと思うが、今の広告業界はまさに「民主主義体制」への移行期(後々解説します)。この時代が大きく変わろうとしているこの瞬間に立ち会えたことに感謝するとともに、目が離せない。

ということで、これからはインターネット広告、特に「アドテクノロジー」と呼ばれる消化しづらい領域を、アクエリアス並みに吸収しやすい形でご紹介します。

アドテク?アド街ック??

Advertisement(広告)+Technology(技術)=Ad Tech(広告技術?)

通称、"アドテク”。業界でも生まれたてほやほやの、ホットな言葉。特に、テレビや雑誌、新聞、ラジオと呼ばれる「4マス」広告ではなく、「インターネット広告」の領域におけるとある広告技術のことを指します。

「そんなん知っとるわ!」ということであれば、ぜひこの章は読み飛ばしていただき、「なんのこっちゃ!!!」と思われた方でちょっとでも興味がある方はこのまま読み進めて頂きたいっす。

 

アドテクノロジーの定義:

広告(Ad)技術(Technology)を指す言葉で、広告配信や広告流通のための技術を示す。媒体社と広告主、それぞれにある広告配信のためのアドサーバーの間でどのように広告を流通させ、広告主が出したい場所や人に広告を出せるか、また媒体社が出したい広告を自社のメディアに出せるかという2つの側面で最適化させる技術となる。 

By 株式会社スケールアウト CMO 菅原健一氏

 

要は、

“ネット広告を出して自分たちのことを知ってもらいたいという会社(1)と、ネット広告を自分たちのサイトに掲載してお金を稼ぎたいという会社(2)の両社がそれぞれの達成したい目標を、より効果的に且つ合理的に達成するための技術のこと”

 By アド野テク蔵

であって、ここ数年でできたとっても革新的なスゴい技術、ということです。この話を進めるには、ある程度前提のお話が必要なので、そのあたりのお話もできればと考えていますが、まずは興味関心を高めていただくために、「インターネット広告」がおもしろいワケを。

インターネット広告がおもしろいワケ

【1】WEB業界を支えるインフラである。

WEB業界というのは捉えどころがないように思えますが、基本的に収益モデルは3つ。

  1. 課金モデル(B2C)
  2. 物販モデル(B2C)
  3. 広告モデル(B2B)

 

【1.課金モデル】

課金モデルでは、一般消費者がインターネットを介したサービスを利用する際に料金を課金するモデルのことを言う。例えば、Hulu(動画視聴サービス/月額課金)やクックパッド(料理投稿SNS/月額課金)、ソーシャルゲームで言うとテレビCMでも有名な“Candy Crush Saga”(パズルゲーム/アイテム利用課金)や「誓いのキス」(恋愛ゲーム/利用課金)なんかがある。一部広告を出しているアプリもあるが、広告を非表示にする代わりに課金を求めるなど、課金モデルで売上を上げているゲームは意外と多い。

 

【2.物販モデル】

物販モデルは、その名の通り商品を販売した代金の一部を仲介料として徴収するモデルのことを指す。Amazonや楽天、Grouponなどが代表的な企業。トレンドに沿った良質な商品を消費者のデマンドに合わせていかに取りそろえ、いかに上手く販売までの導線設計をするかがポイントになる。

 

【3.広告収益モデル】

 WEB業界は圧倒的に広告収益モデルの方が多い。課金モデルとは違い、一般消費者から収益を獲得するのではなく、一般企業から出稿依頼を受けた広告費を収益にしている。例えば、Facebook(SNS)やYou Tube(動画視聴サイト)、Yahoo! News(ニュースサイト)等は一般ユーザーが利用する際には利用料が発生しないが、法人からの広告費で運営をしている。そのため、コンテンツの面白さはもとより、広告主がターゲットとする良質なユーザーがいかに集まるかが肝となる。

 

WEB業界を全体を見渡した時、1、2の課金モデルは業態が特殊であるため、少なくとも半分以上の企業は広告収益に頼っているはず。すなわち、我々の生活を便利で且つ豊かにしてくれるインターネットサービスを支えているのが「広告」なのです。つまり、我々の生活でいう、水道・ガスみたいなインフラ。そう考えると、社会的な意義ってハンパないなぁ~って思っちゃいませんか。

 

【2】おもしろいくらいに市場が伸びている。

RTB(Real-Time-Bidding)については後述するとして下記の表は「アドテクノロジー」関連の広告市場規模だと捉えていただきたい。

 

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RTB経由のディスプレイ広告市場規模を予測:2016年のRTB市場規模は2011年の16倍超へ――マイクロアド調べ - ITmedia マーケティング

 

2011年頃に生まれたこの市場は、翌年380%以上伸び、毎年のように伸び続けていった結果、2016年には2011年の16倍にも成長するというから驚きです。ちなみに日本の広告市場は5兆8913億円で、インターネット広告市場の規模は8680億円に上ります(出典:電通「2012年(平成24年)日本の広告費」)。アドテクノロジー関連市場は2012年時点ではまだ約256億円程度の規模ですが、今後この市場がインターネット広告市場を大きく伸ばしていくのは間違いないでしょう。規模が大きくなれば、業界関係者も迂闊にしていられないので、そのあたりの動きも見ものです。

【3】 とにかく飽きない!

進化のスピードがひじょーに速く、1日ニュースを見逃したもんなら「え、アノ会社そんなことし始めたの!?」なんてこともザラにあります。知的好奇心を満たすのが好きな方にはうってつけの業界。

でもって極めつけは分かりづらさ。「カオスマップ」なんてのがあるくらい、業界は混沌に満ちています。「こーいうことか?いや、こーか?」と、知恵の輪をほぐしていくような感覚で理解を少しずつ進められると、いつしか「あ、そーいうことかい!」 と、アハ体験を味わえます。この感覚を味わえる業界は他になかなかないのではないでしょうか(笑)

 

そんな感じで、まずはざっくりアドテクノロジー理解に必要な大前提をお話ししました。次回はもう少々詳しい話を。

転職の良いタイミングを考えてみた。

年末。ボーナスをもらってから転職、なんて考えている人も、この記事を読んでいる方々の中にはいるかもしれない。職業柄、転職したいって人によく会うが、こんなことをよく聞かれる。

 

「転職の最適なタイミングってあるの?」

最近はWeb業界でも求人が活発。ボーナス前ってのもあるが、大量リストラをどっかの大手企業が大々的にやりだしたってことで、「スゲー人材が転職市場に出てくるんじゃね?」という甘い匂いに誘われて求人を出し始めているらしい。

一方、通年で見てみてみると、やっぱ基本的に2月~7月は多いように見受けられる。新卒社員と同じタイミングで入社してもらったり、夏のボーナス時期に合わせて採用をスタートしたり、採用計画修正のために夏場始めてみたり、様々ある。

一方、転職者目線で考えてみるとどうか。確かにその辺りはタイミング的にいいかもしれないけれど、自分が考えていることは他人も考えている、つまり他にも転職に動き出している人が増えているゆえ、おおのずと倍率が上がるのであった。したがって、求人が多いとはいえ、転職がしやすいとは限らない。

 

転職はあくまで人と人を繋ぐ縁

転職はナマモノ。旬な時期は一瞬で、次第に色褪せてきます。選考で経験が求められるのはもちろんですが、その人が必要とされる事業のフェーズ、タイミングってのがあるようで。人柄・スキルは◎でも、たまたまその人が必要とされるタイミングじゃなかったってこともあるらしいっすね。

 

スマートフォン向けクレジット決済のサービスを開発しているベンチャー企業「Coiney」のブログ(Paymentgeek: [2013年版]コイニーの採用経路)でも興味深い発言があったので掲載してみます。

 

2. ステージに合うかどうか
たくさんの人にお会いしている中、特にビジネスサイドでよく起こるのが「スキルは全く問題ないけど、今じゃない。」です。この人は50人くらい目に必要な人だ、100人超えてから必要な人だ、そういうこと結構あります。採用は大体入社まで2−3ケ月かかるのでタイムラグはあるものの、ヘッドカウントの開け方にも順番があるので、ステージに合う人というのを求めています。ただし、ここで採用した人が、次のステージで活躍するかどうかは分かりません。みんなで成長するのみ。あと、逆に1年前入社検討して一度「今じゃない。」となった人を1年後に採用したということもあります。要はタイミングですね。

人を採用するにはタイミングがあるってことですね。こればっかりは仕方ない。

「パーッと盛り上がりたい時にはこの人と飲みたいけど、真面目な話でしっぽり飲みたい今日は、この人とじゃない。」

転職は「企業と人を繋ぐ」と見せかけて、実は「人と人を繋ぐ」、そんな一期一会で特別な機会。だからどっかの大本命企業がお見送りになったとしても「私はダメだ…」じゃあなく、たまたま機会が悪かった、次なら…ってことも十分アリってことですかね。